皆さんこんにちは。将棋好きのヨシコシです。

羽生名人レベルの発想力がもちろんない私。

運に左右されない理詰めの考えを投影できる
この盤上の知恵比べには大いに魅力を感じます。
(厄年なので運に左右されたくない。)


それはともかく先日、
某JR線沿線に、RCの賃貸併用住宅を希望される
お客様とご面談をさせていただきました。


ご面談までに約一ヶ月の猶予をいただけたので、
周辺市場調査、需給バランスを考慮して、
ボリューム案を作成し、収支計画の妥当性を
検討してみました。


建築工事費を坪単価毎に利回り計算し、
その収支を見ながら、
各工法の妥当性を判断をしていくという変わったアプローチ方法で
お客様の希望されるRC造はどんな条件化であれば、
妥当といえるのかを導いていきました。


結果的には、
約144坪の延べ面積のうち、
36坪をオーナー住宅にすることを希望されてましたので、
お客様の希望される賃貸部とオーナー部の構成比では、
経営収支のリスクがやや高いことがわかります。


賃貸併用住宅は、好条件が揃わない限り、
お勧めしないこともしばしばあります。


パークコートワン 荒川区2
昨年竣工した荒川区「パークコートワン」。
賃貸アパート数棟、延べ50室以上を直接管理している
プロの経営者のご夫婦が、工房に発注したのは重量鉄骨造の共同住宅。

パークコートワン 荒川区1
竣工間際の様子。内観もおしゃれに仕上がったので、
部屋はすぐ女性でうまったと聞き、とても嬉しく思いました。




賃貸経営は、オーナーさんが事業者です。
収支の見通しを見極めることなく、
空室リスクの不安を払拭するために
一括借上げでリスクヘッジされる方は、
賃貸経営者に向いていないかもしれません。


今回の概要では、
収益の見込めない36坪のオーナー部を考慮し、
500万~1000万円の自己資金の上積みをした場合、
軽量鉄骨の計画でようやく10%以上の
表面利回りが見込める数字でした。

よって、
RC造での計画は妥当性を欠くので、
おすすめできないという報告をさせていただきました。



計画地周辺は、
ワンルームよりもファミリー向け賃貸が不足しているエリアでした。

それでも、タケノコのようにワンルーム物件が生まれています。
将来的に供給過多となる周辺状況を顧みず、
ご自身の建物の目先の収支の数字だけを考えてしまった結果、
建築工事に踏み切ってしまっている方がどれだけ多いかよく
察することができます。

この先にも同じように新築されるであろうワンルーム競合物件に対抗するには、
いずれは賃下げしかありません。

よって、
そのエリアでワンルームの賃貸経営をするには、当初は良くても、
長期的な視点からは得策と言えないと判断いたします。


一方、計画地周辺での安定需要が見込めそうな
45~60㎡クラスのファミリー向け賃貸を考えると
空室リスクが回避しやすいメリットがある反面、
部屋数が少ないため、
ワンルームでの構成よりも収益性は厳しくなります。

また、
部屋数が少ないということは、
1室でも空室があれば、賃料収入のダメージは大きくなります。


お客様には、
様々な検討を重ねた結果、どの計画でも前提として
オーナー部の面積の大きさが収支のネックとなり、
賃貸併用住宅でのプランニングは、望ましくないのではないか
という旨を、正直にお伝えしました。



そして、完全な共同住宅を計画することを念頭に
一緒に別のアイデアを練ることにしました。
また一から情報収集から始めて、よい計画になるよう
時間をさいていこうと思います。


「工房さんにお願いしてよかった」

最後にそう言っていただけることを
ポジティブに妄想しながら、モチベーションを高く維持しています。

今回のお客様には、賃貸経営で
ぜひ成功していただけるよう、
詰め将棋よろしく私も頭をフル回転したいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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