皆さんこんにちは。
口に含んだら、想定外に熱い鍋料理の白菜や、
先客が出そうでなかなか出てこない駅のトイレとか、
どうでもいいことを、少し気にするヨシコシです。

そんな私、
建築の世界でも、実は少し気になることがあります。

それは、「工務店」という言葉への違和感です。

工務店とは、主に住宅を主とした職人のマネージメント業をいいます。
工務店の監督は、電気・水道・左官・板金・鳶・大工などの
職人を監理して施工品質を管理します。
ですが、その住宅へのアプローチが細分化されて
工務店という言葉は、実質的には
何かの検索や選定にかかわる単語としての機能不足に陥っている
のではないかと思います。

仮に、工務店といっても、

 自社で設計もできる工務店
 設計は外部委託している工務店
 建築工事のみする工務店
 注文住宅だけやる工務店
 建売住宅だけやる工務店
 注文住宅も建売も両方やる工務店
 リフォームだけする工務店
 土地から仕入れて売り建てする工務店
 独自の規格住宅をウリにする工務店
 ハウスメーカーの下請だけやる工務店
 木造だけやる工務店
 鉄骨造だけやる工務店
 RC造だけやる工務店
 全部やる工務店
 土工事や基礎工事だけやる工務店
 大工工事だけやる工務店

まだ色々あります。

歴史的には、古くは木造建築だけでしたから、
大工さんこそが今の工務店の源流と言えます。

そこから経済的に複雑な展開をしていき、
細分化がなされて現在に至っております。


先ほど、

曖昧な表現領域と言いました。

例えれば、

「家」を「体」に置き換えれば、

歯科医と小児科と美容室とエステと整体と呪術師

を一言で表現してるようなもの。

それくらい
「工務店」という言葉は
漠然としているとお考えください。


聖徳太子 金剛組 日本最古の工務店
ちなみに、日本に現存している最古の工務店は「金剛組」。
聖徳太子の命を受け578年に来日した
百済出身の金剛重光が匠の技術を日本に広めたそうです。



工務店を食べ物屋に例えてみます。

町の飲食店には、
イタリアンにフレンチに中華に和食、ラーメン、イケメン、つけめん、カレー、
フルーツパーラーに甘味処、いろんなジャンルがあります。

食べたいものが定まっていない人は途方に暮れます。
よい店もあれば、後悔する店もあるでしょう。

そんな町にはファミレスもあります。
どこに行っても、そこそこにメニューが豊富で、
サービスも均一化され、そこそこの味が安心して食べられる

外食産業におけるファミレスのポジションは
ハウスメーカーととてもよく似ています。

ファミレスでメニューにないものを頼むことはできません。
でも、
ファミレスよりも、味も金額も衛生管理の悪い店は山ほどあります。
ファミレスのように、特別なオーダーができない店も山ほどあります。

一方で、
町場の粋なイタリアンのシェフなら、
あなたのその日の辛い二日酔いに合わせた薄味のリゾットを
創ってくれるかもしれません。
しかしながら、メニューにない特殊なオーダーをすればするほど、
お金も掛かってくるでしょうが。


ハウスメーカーさんは、
自社で直接分離発注はしませんので、
下請けの工務店を監理し、
標準仕様となっている建材や設備を現場に支給して工事します。
云わば、OEM的存在の下請工務店を束ねたブランド施工業です。



世の中にハウスメーカーが出現した後にも、
その対極として、
ひとまとめに使われている「工務店」という言葉、
中身はすいぶん細分化されてますが、
それ以上の分割がされずに今に至っております。

これは、
建築の世界の外にいる人にとってわかりにくいことであり、
家づくりを考えはじめた人にとって不幸なことです。


箱木千年家 日本最古の民家
写真は、現存する日本最古の民家「箱木千年家」。
無駄の一切ない素朴な美しさの極み。



あまたある工務店から自分に合う工務店を探すには
どうすればよいのでしょうか?


依頼先を探す前に、まずは自問自答をしてみましょう。


記念となる会食を計画する時に例えればわかりやすいと思います。
「自分はいつ、どこで、どんな料理を、どんな雰囲気で、いくらで食べたいのか」
とまず考えるでしょう。

それから、
肉が食べたい、前菜はいろいろなものを選びたいな。
あの雑誌の店に美味しそうな料理があったっけ
金額はどんな感じだろう?財布にいくらあったっけ?
好き嫌い多いけど、自分のわがまま聞いてくれるだろか?
決まったメニューしか頼めないのかな?卵アレルギー、配慮してくれるかな?

このように何となく自分に合いそうな
店の輪郭が見えてくると思います。

あなたにぴったりの建築会社を見つけることができたら、
竣工の半分まで駒を進めたと言っても過言ではありません。

工務店という言葉は本当に分かりづらい。
工務店の一人として消費者の皆様にお詫び申し上げます。

お読みいただき、ありがとうございました。

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