皆さんこんにちは。
再び仕事に没頭しているヨシコシです。

〜前回までのあらすじ〜
念願の注文住宅の竣工直後、非情にも勤め先からハノイ赴任を命ぜられ、
単身赴任で奮闘していたIさん。
そんなある日、家を建てた時にちょっとお世話になっただけの営業担当から、
「そちらに遊びに行くので、民家でごはんを食べたい」
と突飛な要望を受け、Iさんは途方に暮れていた。
思い悩み苦しむIさんを見かねた職場の部下・ヴェトナム人のトアンさん。
「私の実家なら来ていただいて泊まっても大丈夫ですよ」
一行はハノイから100キロ南の村にあるトアンさんの実家に遂に到着。



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さて、
ハノイ赴任中のIさん、案内役のトアンさん、運転手のザンさん、
そしてIさんの家づくりをちょっとお手伝いしただけで
厚かましくもハノイまで来たヨシコシは、
遂に車でトアンさんの実家に到着。
トアンさんの家には、
お父さんとお母さんと弟さんと90歳のおばあさんの他に、
ニワトリ、烏骨鶏、ウサギ、インコ、ネコもいました。

リビングには、お父さんとお母さんの若かりし頃の
写真が仲睦まじく飾られ、奥まった壁一面の大きな祭壇には
先祖の方々の位牌があります。
他の壁の天井付近のニッチには、
キリストが祀られています。
この村の宗教は意外にもキリスト教なのでした。

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リビングには3人掛けの椅子が二つ向き合った重厚な木製応接テーブル
が置かれていて、壁にテレビがついていましたが、
テレビを頻繁に見る習慣はなさそうで、家族団欒主体のリビングです。
テーブルの上には、漆塗りの薄い円盤型の灰皿に、水煙草の陶器が
すっぽりとはめ込まれておりました。

見るもの全て新鮮です。

この15畳ほどのリビングは
お父さんの仕事である薬局も兼ねているようで、
リビングの東側の一角には、漢方用に乾燥させてこげ茶色をしている様々な根や実が、
梅酒やらっきょうを漬ける時に使うのと同じ容器に何段も置かれています。
その脇には、
背の高く沢山の引き出しの備わった木製収納が壁付けされており、
引き出しには筆字で引き出しの中身がわかるように漢字で書かれた
紙が貼られています。

リビングの角には、脚付きのダブルベッドが置かれており、
私とIさんは今晩、このベッドに蚊帳を張って眠ります。

リビングの北側に隣接するのは8畳の台所で、
L字キッチンでした。お母さんはきれい好きで
キッチンの天板はとてもきれいに掃除がされています。
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そこからトイレや洗面室、二階の居室、裏庭、おばあさんのお部屋に
行けるようになっています。
このキッチンから放射線状に家事動線が生まれ、
とても家事がしやすそうな家です。

お父さんは盆栽が趣味のようで、広い庭に大きな鉢が
たくさんありました。庭にはスターフルーツの木があり、
薄黄緑色の星型の実が陽射しにほのかに透けてとてもきれいです。

外には納戸と動物小屋もあります。

トアンさんは、到着前からスマホでお母さんと連絡を取っていたようで、
一行の到着に合わせて夜ごはんの準備は完了していました。

応接テーブルを祭壇側にずらして、
リビングの南側を広くして御座を敷き
次々とお皿に盛られた料理が運ばれてきます。
近所の親戚も何人か集まってきました。

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親戚のおじさん持参の「CCCP」と刻印された
ソ連製の大きなスキットルボトル。
こちらでは「ワイン」と呼ばれる薬草が漬け込まれた焼酎をお猪口に注ぎ、
頻繁に乾杯しながらの念願の宴の始まりです。
この親戚のおじさん、お酒がめちゃくちゃ強い。
そして私とIさんのお猪口に焼酎を注ぎ続け、
日越友好記念の乾杯を迫ります。
(翌朝の食卓もー、その後の昼ごはんでも、お酒で乾杯することに)
最初は少し怖そうでしたが、人情に厚い方でした。
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宴会開始15分経過。
奥がIさんと私。まだちょっとよそよそい感じ?
ヨシコシの右に座っている運転手のザンさんはお酒を飲んで
正確が一気に明るくなりました。こんなにしゃべる人だったとは!
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宴の動画




左がトアンさん、真ん中がお母さん、右はお父さん。
お父さんはおもてなしの立場を意識してか、
乾杯してからはお酒をあまり口にしていませんでした。
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料理はどれもすこぶる旨し!

恐るべし、ベトナム家庭料理の数々。
炒めてある山羊肉を香草類と一緒にライスペーパーで包んでタレにつけるもの、
牛のコリコリしたかなり歯ごたえのある脂身のような部位の炒め物、
肉のすり身を豆腐状に練ったもの、焼き鳥、豚肉の葉物巻き、肉の煮こごりのようなもの、
血を混ぜた腸膜がぶ厚いソーセージ(まるでアジア版ブラックプディング)、
ジャガイモ煮などなど、
正確な解説が自分でできているかはともかく、
マニアックな食べ物づくしです。
日本のベトナム料理屋さんでは見かけない珍味ばかり、素晴らしい!!

晩餐では、英語が話せる娘のトアンさんとIさん以外には
直接会話が通じる人はいないのですが、
お酒の力も相まって、酒席は大いに盛り上がりました。

食事が終わり、応接セットに腰掛けて
水タバコの吸い方を教わりながらもうまくできず、
何度もダメ出しをされるヨシコシ。
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ザンさんに言われるがまま、水煙草を試すヨシコシ。
なかなかコツがいります。



こうして酒豪の集まりの夜も更けて、
念願のヴェトナムの民家ごはんにたどり着いた達成感に浸ったのでした。

Iさん、トアンさん、ザンさん、
そして、親戚家族の皆さんに
感謝感激の夜となりました。

お読みいただきありがとうございました。