皆さんこんにちは。

昨日は終日、RC外断熱住宅のOB施主様宅にて、
ご依頼いただいた傷補修の立会いをいたしました。

以前、当ブログの中でも
補修屋さんの技術の話をいたしました。

前回記事
 「まるで忍者。「補修屋」の匠の世界(2014/3/7)

今回は、


今回のお題
「外構のステンレス・ドアを自転車で傷つけてしまいました。綺麗にして欲しい」
ステンレス 傷補修

さて、
今回の登場する匠は、
ステンレス、アルミ、木部の補修の全てができるスーパーな職人さんです。
Evernote Camera Roll 20140812 114813.jpg
 
アルミやステンレス系の傷の補修の場合は、
木部の補修屋さんとは別に専門の技術を持った職人さんでないと補修できません。

例えれば、
「水遁の術」が得意な忍者と「火遁の術」が得意な忍者は違っていたり、
「お造り」が得意な料理人でも、タイの「フルーツ・カービング」は専門外だったり、
運転技術のある「トラックの運転手」でも、トラクターで「稲刈り」ができないのに似ています。
(説明くどっ)

今回ヨシコシは
ステンレスの傷補修作業を初めて見ました。

補修屋 repairer
 匠の道具一式
コンプレッサー
 吹き付け塗装用のコンプレッサー


ステンレス 補修
お客様、傷をそうとう気にしているらしく、沢山の付箋が・・。


匠はまず、
KOVAX社の「アシレックス  スカイ」 という、水色の
足付け用(自動車のボディなどの塗装の食いつきをよくする)
研磨布を使い、ステンレスの表面を研磨していました。
.アシレックス 500
このアシレックス、すごい布です。


 (写真の色は濃すぎですね。実物は写真のように淡いブルーでした。)

この段階ですでに
傷と思っていたものの半分以上が綺麗になりました。
恐るべし、アシレックス。
アシレックスには、
目の粗さによってレモンやオレンジなど様々なタイプがあります。
アシレックス レモン
 こちらは目の細かい「アシレックス レモン」

表面研磨前
ステンレス 傷補修

表面研磨後
ステンレス 傷補修2

その後、色々な性質をもつ塗料をその場で混ぜて調色、
傷にタッチアップし、まわりに塗装を吹付けドライヤーで乾燥。

補修が完了!
ステンレス 傷補修


匠曰く、

「ステンレスの傷補修は最低限に留めないと、
ヘアラインやバイブレーションの模様が再現できないので、
やりすぎるとスイテンレスが偽物っぽく見えてしまうので注意が必要」だそう。


黙々と作業をする匠。

感嘆の声をあげる奥様。

何もしてないのに誇らしげなヨシコシ。


次は、
床の傷の補修など、あちこちしていただき、
木製の窓枠の角の欠損部分も直してもらいました。

電気コテと樹脂と塗料を使って
Evernote Camera Roll 20140812 165629.jpg

こうゆう角の欠損を
Evernote Camera Roll 20140812 165629.jpg

どこに欠損があったかわからないレベルにまで補修します。
Evernote Camera Roll 20140812 165628.jpg



今回の匠も、若い美大出身の方でした。
やはり美大生の頃にこうした補修屋のアルバイトをし、
そのままプロの補修屋さんになっていく人も多いのでしょう。
皆さん、ほぼ独学で補修技術を体得しているようです。


そんな補修屋さん、実は年配者が非常に少ない世界です。
建築では比較的、新しいジャンルの技術職だからのようです。
30年前には、あまりなかった商売かもしれません。

それにしても、
日本人の住宅の補修技術と職人層は、
世界的にも間違いなく最高レベルでしょう。

欧米で商売をしたら、
瞬く間に口コミで家具やアンティークの補修に引っ張りだこのはず。

日本人で海を渡って
補修屋をしている人がいなさそうなのが不思議です。

これは、まさに
世界に誇れるクール・ジャパンのひとつだと思います。

お読みいただきありがとうございました。
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