皆さんこんにちは。断熱性の高い窓が好きなヨシコシです。
昨日は、某区にあるOBのお客様宅にリフォーム内窓の取付工事に
立ち会ってきました。


これはLDKの様子。設計は豊田空間デザイン室の豊田悟先生で、
シンプルな間取りで間仕切りのほとんどない、ゆったりとした屋内空間をもつ
木造の2階建ての建物。施工は工房です。広い勾配天井の下で、
ワンちゃんがお行儀よくソファに座っています。
目がくりくりと澄んでいてかわいいんです。
 勾配天井のLDK
この建物は線路から10mくらいしか離れていないため、
通常のペアガラスだけでは遮音性が悪いとのこと、また、広い屋内空間なので
より断熱性を高めたいとのことで、今回、線路側の南面にリフォーム内窓を設置することにいたしました。
内窓はLIXILの「インプラス」という商品です。

リフォーム内窓を取り付けている様子。
インプラスの取付


インプラス 空気層
新築時のガラス仕様はすでにペアガラスのLOW-E仕様でしたが、
リフォーム内窓のペアガラスの空気層は12mm。
既設のペアガラスと今回の内窓の空気層も含めれば、ガラス面の温熱環境は
合計4枚となる各ガラス間の空気層とLOW-Eフィルムによって劇的に改善されます。

ペアガラスが優れているのは、ガラス自体がすごいのではなく
ガラスの間の動かない空気層が断熱材の役割を果たすから。

リフォーム内窓で誤解してはいけないこともあります。
それは、窓の結露に悩むお宅に住んでいる方。
リフォーム内窓の設置によって、窓まわりの結露はおそらく大幅に改善されます。
それで「結露がなくなった」と喜ぶのは禁物です。

窓の結露がひどいお宅でリフォーム内窓の設置後、
ガラス窓で発生しなくなった結露は、壁内や別の場所で発生しているケースが大半です。
この点は各メーカーさんも表に出して説明をしていません。
リフォーム内窓は、窓の結露は解消されやすいのですが、
根本的な結露現象の解決とは全く異なるものである点は理解いたしましょう。

改善するには、「換気」、「気密性」、「断熱性」のテコ入れをするか生活上の工夫をしないと意味がありません。

例えば、
石油やガスストーブを暖房に使用している方は、
空気中に水蒸気が発生します。その空気が冷たいところに触れた途端、
空気中の水蒸気が冷えて結露となります。
また、加湿器をたく方。それから、1つの部屋で家族全員で寝ている方も
睡眠中に多くの水蒸気が部屋に篭ります。

これらは、
計画換気などによって、空気を常に動かして移動させないと結露の原因となります。
断熱性能の低い建物で気密性も悪いと、外気が隙間から侵入して
水蒸気を含んだ屋内の空気と、どこかにぶつかり、そこに結露が発生します。

リフォーム内窓で結露が解消できた方は、窓以外で結露している
可能性があることを十分理解いたしましょう。
木材を腐らせ、カビを生みやすくする結露はまさに住宅の天敵です。



シリコン・スプレー
リフォーム内窓は施工性と断熱性を高めるために、樹脂性の枠になっています。
ペアガラスのサッシは重いうえ、樹脂枠では通常のアルミサッシよりもすべりが悪く、
開け閉めはとても重たくなります。
それを解消するために、取付け後にこのシリコンスプレーを吹き付けて滑りをよくします。


さて、こちらは1階のアトリエの様子。
ヨシコシはこの家のお客様の趣味が好きです。
雑然としているようで、品のいい小物が多く、
どことなく色彩も豊かなんですよね。
1階アトリエ


玄関を入って左脇の上げ下げ窓には、柳の柄のカーテンがありました。
この布地は、ウィリアム・モリスのWILLOW BOUGH(ウィロー・バウ)、
お客様がイギリスで購入したものだそうです。
日本向けのモリスの柳柄とイギリスのでは柳の枝葉のピッチが微妙に違うそうな・・。
ウィリアム・モリス ウィロー・ボウ

布地をラフな感じで縛って飾りにしているのがとても素敵でした。
西日の当たる夕方にこの窓を眺めてみたくなりました。


ウィロー・バウ
WILLOW BOUGH(
ウィロー・バウ) 
19Cのイギリスのウィリアム・モリスが壁紙用にデザインしたもの。

1895年に布地でも採用したモリスが好むデザインで自宅近くを流れるテムズ川沿いの柳に着想した。
柳は、彼のお気に入りの一つ。「ウィローバウ」は、現在でも最も人気あるデザインの1つといわれています。



さて、今回、1ヶ所採寸時のミスで、納品された内窓サイズに数mmの誤差が・・・。
その1ヶ所は、後日に再施工することとなりました。
気持ちよく施工完了といきたかったところ、誠に悔やまれます。 
M様、本当に申し訳ございません。
それなのに美味しい珈琲にチョコレート、ごちそうさまでした。 



マンチカン
お読みいただきましてありがとうございました。