皆さんこんにちは。
人間の手先の器用さに比べ、猫の手の不器用さが微笑ましいヨシコシです。

今日は、ご依頼いただいたリフォーム工事のチェックに某OB施主様のお宅に訪問しました。
建築には様々な職種の方が携わっておりますが、
その中でも異色の存在が「補修屋さん」。

補修屋は新築工事の表舞台に決して立つことのない、
いわば忍者のような存在。
そして普通の人が決してできない技を駆使し、
任務を影で全うして現場を立ち去ります。
なかなかお施主様がその姿を見かけることはありません。

建築の忍者たる補修屋が暗躍(?)できる理由は何でしょう?
建築工事では、どんなに仕上げ材の養生をしていても、
大抵どこかに少し傷がついてしまうものだからです。
補修屋の技術がないと世の中の建築は大変なことになります。
それくらい彼らの忍術はすごい。


ドアをつけた後に他の職人さんが出入り時にぶら下げている腰袋の工具をドアに当ててしまったり、
仕上げたばかりの床材にうっかり工具を落として床を傷つけてしまうとか、
手垢、汚れ、傷などほんの些細なことでも新築竣工時にはそれが目立ってしまうもの。
普通はお引渡し前に「お施主様検査」で傷や凹みを確認いただき
お引渡しまでの数日の間に補修屋さんを入れて手直しをします。

現場監督が「いやあの、ちょっと傷がついてしまいましてね。
○○日に来てもらえますか?」

数日して忍者は妙な荷物を持って現場に現れます。
他の職人さんとはなんだか毛色の違う空気感です。


今回は新築ではありませんが、特別に忍者の技を写真に撮ってきました。
補修屋さんは、よく分からないものまで沢山の道具を持ち歩きます。
たとえ町でこの荷物を拾っても、どう使っていいかもわからないものばかり・・。
道具1

 

下の写真は、RCの外断熱材『テラコ・エコサーム』の
左官鏝仕上げで、竣工後4年が経過したところです。
何かをぶつけて窪んでしまった部分にテラコの仕上げ材をタッチアップしましたが、
色の違いが目立っておりました。
いよいよ、補修忍者登場。
外断熱補修前


補修屋さんの手にかかれば、その場で調色して筆でトントン
目立つ部分をたたいて肌合わせしていきます。
そしてあっという間にどこを直したのかわからなくなります。
 外断熱補修後



今度は『BIG BOY』の木製玄関扉です。
リボス社の自然オイルのチーク色の仕上げです。
黄色の付箋は補修屋さんに補修してもらう箇所です。
うっ、かなり多い・・・お施主様のチェック(泣)。
玄関 補修前


そんなヨシコシの不安をよそに淡々とパレットで色を調合していきます。
道具2


例えばここ
補修前


ペーパー掛けしたり
補修中1

筆でタッチアップしたり
補修中2

そしてこうなった。お見事!座布団5枚!
補修後UP


玄関ドアのお化粧直し完了です。パチパチパチ。
補修後


何でも補修屋さんの職人達は美大出であったり、
美術系の学生のアルバイトの方もいるのだとか。

今日の職人さんも今日の玄関ドアを見て
「むむむ・・・この扉色は赤と黄が強いし、自然塗装だからちょっと難しいですかねえ」
と言いながらあっという間にあちこち補修していきました。

こんな人が家族にいたら、って
ペットを飼われている方はきっと思うはずです。

お読みいただきましてありがとうございました。